オオサンショウウオについて
オオサンショウウオは主に湯原町、川上村、八束村の蒜山地方に棲息しています両生類でイモリの仲間です。特別天然記念物です。
日本と中国の一部にしか棲息していません。なぜオオサンショウウオがここ蒜山地方に棲息しているのでしょうか。それはここ蒜山地方が落葉樹林帯で水のきれいな河川がたくさんあるからということもいえますが実はもっと深いわけがあったのです。
それは日本列島が形成される遙か昔までさかのぼる古い話になります。今から3億5,6千万年前に海から地上へと初めて4つ足動物が現れたときの両生類の化石と現代のオオサンショウウオの骨格が非常ににているらしいです。
オオサンショウウオは原始の姿そのままに今を生き延びているのです。魚から進化した動物が陸に上がっていったわけですが当初は両生類として水辺で水と離れずに生活していたことは容易に想像できます。
オオサンショウウオは成体にはエラがありません、魚の浮き袋から進化した肺はありますがほとんど用をなしません。それでは成体のオオサンショウウオはどうやって呼吸するのでしょうか、それは皮膚呼吸です。多少の乾燥にも耐えられるように皮膚から粘液を分泌して全身をこの粘液で覆っています。眼には魚と同様に瞼がありません。
それではなぜこのような古代の生物がそのまま蒜山地方に棲息しているのでしょうか。蒜山地方は1億年以上も前から陸地として存在していてそれ以後は一度も海に沈んだことが無いのです。オオサンショウウオは動作が敏捷ではありませんし、環境への適応力も他の動物に比べると遙かに劣っています。蒜山地方が古代のままの環境であり続ける限りはオオサンショウウオは生き残ってくれるでしょうが環境が変わればたちどころにこの世から消え去っていく運命です。 |