撫川うちわについて
岡山にこんなすばらしいものがあったのですね。それは1本13000円もする撫川うちわです。
撫川うちわは300年前の江戸時代に武士の内職として作られていたものらしいです。一時的には途絶えたらしいですが現在作っておられる先代が昔の技術を取り入れこれを習得されて撫川うちわを復活されたということです。
この撫川うちわの作り方は1本のメ竹から作られます。まず節を挟んで50cmほどに竹を切ります。柄にする部分は丸のままにしておき節から上の部分をまず半分にそれをさらに4分の一という具合に64等分します。最後の方になるともう刃物では切ることができなくなりますので指先を使って裂くように割っていくそうです。64等分された竹をさらに刃物で削ってそれぞれの断面が長方形になるように削ります。さらに「鍔攻め」といって、刀の鍔の縁を使ってうちわの要の部分をこすって竹にしなやかさを付けるらしいです。
さらにこのうちわの最大の特徴は「歌継ぎ」にあります。俳句の文字に沿って和紙を切り抜いて重ね継ぎしてこの文字があたかもそこに書かれたように浮かびあがって見えます。文字の右側と左側を全く寸分違えないように切り抜いてあるそうです。
さらにその歌にあった絵柄の切り絵も挟み込まれています。こうして作られた撫川うちわは熟練した人でも1本仕上げるのに20時間はかかるそうです。
現代の日本は能率主義、効率主義がまかり通って、いかにはやく又いかに儲けの多い商品が作れるかが優秀なことであるかの基準になっていますが、今の日本にはまだまだ探せば優秀なもの、素晴らしいものがいっぱいあるそうです、しかもそれらの素晴らしいものは決して効率主義から生まれたものではありません。昔ながらの製造の仕方、昔ながらのものの作り方を頑なに、頑固にまもり続けて作られたものばかりで、手抜きをして作ったようなものは一つもありません。 |